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2024/05/14 07:40 |
緑風荘哀悼
先日10月4日に岩手県二戸市の
金田一温泉にある緑風荘が火事で全焼した。
南部曲り家の貴重な遺構でもあるが、
それ以上に「ざしきわらし」の出る旅館として非常に有名であった。
私は数年前に一度、ここに宿泊をした。
2泊ほどの行程で温泉巡りを兼ね、
「ざしきわらし」が出る旅館だからとのことで、
冷やかしに行ったのが率直なところではあった。

数年先まで予約で埋まっているという「ざしきわらし」の出るとされる
「槐(えんじゅ)の間」に宿泊などとはまったく考えておらず、
ただ温泉に入って泊まれればそれでよかった。
値段も手頃で宿泊も新館、とはいいながら正直な話どこもかしこも古びており、
お世辞にもきれいとは言い難いが清潔感は損なわれていなかった。
ただ廊下などは夕方でも非常に暗くて、
トイレに行くのが大人なのに少々怖いのであった。

「ざしきわらし」は二の次だったのである。

温泉に入ってひとっ風呂浴びたあと宿の主より、
例の「槐の間」が見学できるとの話があった。
当然の如く当日の宿泊者が決まっているが、
彼らのご好意で夕食前のちょっとした時間に
他の宿泊者にも見学をさせている。

なかなかいいサービスだと思いながら話を聞いていると、
写真撮影も可能だとの事、記念に一枚持参したデジカメで
写真を撮ってもらったところ、
幾つか私たちの身体の周囲に発光体が写っていた。
主によると写る人と写らない人がいるとの話であり、
なんだか不思議な感じがした。
光の加減でたまたまそうなっただけであり、
霊感などはまったくない私は、
「ざしきわらし」など感じることなど不可能であると思っていた。
残念な事に「槐の間」当日の宿泊客には
発光体はまったく写らなかったのだとご当人から言われたので、
多少気まずいような気にはなったものの、
いやいやこれが件の「ざしきわらし」だとは思わないが、
少々私の方に気があるのかもしれんと思うと、
相手が縁起物だけに悪い気はしないのであった。

その後の夕食は貫禄のある母屋の居間で頂いた。
内容は結構豪勢でビールも飲んだので満腹になり、
テレビを見ながら腹がこなれたらもうひとっ風呂浴びて0時頃に就寝した。

私には霊感がない。
幽霊や超常現象も感じた事がない。
しかし11月上旬の多少肌寒い真夜中に
大汗をかいた私は飛び起きた。
時計を見ると午前3時ちょうどである。
不思議な事に体が熱いわけでもなく、
ただ異常な発汗だけがある。
浴衣は汗でやけに湿っている。
熱いわけではないのですぐに汗は引いてしまった。
廊下は真っ暗なのでこの時間に風呂に行く勇気など、
これっぽちもない。
あきらめてすぐにまた眠りに落ちてしまった。

翌朝6時頃普通に目が覚め、
朝風呂を頂きに行き、朝食を摂って9時頃チェックアウトした。
主に汗をかいた話をしたら、
「ざしきわらし」が遊びに行ったのではないかとのことである。
やはり相手が縁起物だけに悪い気はしない。
ちなみに「槐の間」の当日の宿泊客は何も感じなかったとのこと、
親子3人だったが、彼らにちょっとした優越感を感じながら宿を後にした。

あれから数年、私にはまだ出世とか成功とかにはまったく無縁である。
あれは本当に「ざしきわらし」だったのだろうか。
「ざしきわらし」であって欲しいのが私の正直なところではあるが、
期待しないでいい話を待っていようと思う。

今後あらためて再興した時にはもう一度泊まりに行ってみたい。
今回の火事は非常に残念なことではあるが、
「ざしきわらし」はこの家の守り神とのことである。
粗末にしてなければまた旅館内をうろうろし始めるのではないだろうか。
復活を待ち望む。

追記(2010/07/01)
■■■
火災後一ヶ月程後の記事である。
なんだか大丈夫そうである、なによりだ。
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2009/10/12 02:20 | Comments(0) | TrackBack() | 雑感

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