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2024/05/14 09:50 |
塩地蔵について
眼病や歯痛、皮膚病などの治癒を目的に、
塩漬けになってしまった地蔵が東京にはある。
中でも以下の三カ所は著名であり、
今も塩に埋もれ摩耗した異様な有様を見ることができる。

塩が不浄や穢をはらうという、
日本人の間にみられる呪術的観念は、
塩の流通に従事した行商などの小売商人にも向けらるほどであった。
疾病が医学的な根拠で理解されていない時代に、
それは憑きものだったり得体の知れない禍々しいものであれば、
塩はそれらを払拭するものとして
重宝されたであろうことは容易に理解できる。

また近世における塩の流通と価格などはまだ調べていないが、
大量安価な塩があるからこそこのように過剰なまでの、
塩漬けが現れたと見て差し支えあるまい。

市井の人々は身体の不調には地蔵に供された塩を持ち帰り服用、
完治など目的達成の際には持ち帰った塩を倍返しする習わしも、
これら三カ所の地蔵は共通している。


konnyakuenma_shiojizo

浄土宗 常光山 向西院 源覚寺(通称:こんにゃくえんま)
効験:歯痛緩和(ロケーション


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五智山 遍照院 総持寺(通称:西新井大師)
効験:疣(いぼ)取り(ロケーション)


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霞関山 本覚院 大宗寺
効験:いろいろとあるか?(ロケーション)

ちなみに塩漬けでない塩地蔵もあちこちにある。(参考


(追記)2009/07/05
先日読んでいた書籍に興味ある記事があったので追記しておく。
河口慧海『チベット旅行記』(下)P114~116(白水Uブックス、2004年8月)

チベットのダライ・ラマなどの高僧は「塔葬」という形態で、
ミイラ状態にされ遺体の保存がされるという。
すなわち棺にチベットの沼塩を敷き詰め遺体を置いて、
その上にまた塩を詰めてしまう。
三月または百か日塩漬けにされ体の水分を抜いた後に、
泥や白檀の木を粉にしたもので死化粧(この場合エンバーミングでいいのだろうか?)を施され、金箔を置き七宝で塔をこしらえ、
塔の正面中央に逗子を置き遺体を安置するのだという。

興味深いのは死体処理の際に使用された塩が、
貴族や僧官などに尊い薬として出回ると言う。
高僧の尊いエキスが滲みだしているというのがその理由である。
ただし塩自体が高価なので人民には流通しない。

同様に糞尿も貴重な丸薬として上層階級には流通しているのだと。
これに関しては後日いろいろ書いてみたい。
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2009/05/01 00:00 | Comments(0) | TrackBack() | 雑感

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